居合道が理想とする形から、自分自身のクセが出てしまい、反射的に外れることすらないように鍛錬を積んでいくことが重要だと言われており、そのために刀を日々振る必要があるのだということを意識しておく必要があると言えるでしょう。特にこの点において、繰り返し重要だと言われるのが、最適な用具の選択です。自分に適していない用語を使い続けることは、まさにこの点においてファジーな部分を生み出してしまうことにつながりかねず、心と体のバランスが崩れることにもつながりかねません。仏教の用語で「心頭滅却」という言葉がありますが、まさにこれを念頭に置いておく必要があるのです。自分自身に合う刀を見つけ、その刀と共に一糸乱れぬコンビネーションを見せ、一心同体となって、居合道の練習をしている時以外に生じた悩みであったり怒り煩悩などをしっかりと捨て去り、無我の境地に立って鍛錬を積むことが刀を用いた技術の向上に繋がると言えるでしょう。一般的には、日本の武道に特徴的なのは、相手と直接たいすることなく、自分自身の中で仮想の敵を作って鍛錬を行うという形式が多く取られてきたことは、とにかくアジアの武術のなかでも日本に特徴的な部分でもあります。これは、まさに自分自身の中に敵がいるという意識の表れであり、このような意識は昔から意識されてきたと考えられるでしょう。かつて武士社会であった時代でも、自分にとて好ましくない出来事がおきた場合に、その原因を他人に求めるのではなく、自分自身の日々の生活であったり、自分自身の過去の行いに求めようとする態度は、まさに武士の責任の自己完結的な特徴を表していると言えるのではないでしょうか?鍛錬を積むのは重要なのです。
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鍛錬のコツ