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刀匠
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刀匠

日本刀の光沢は大変美しく、その刀身は確かな位置を占めています。しかしそれだけでは満足しなかったのが刀匠でした。刀匠は完璧主義者ですから、刃文のデザインにも拘り始めたのです。刃文のデザインに心血を注ぎ始めるその熱意はどこから来るのでしょうか。元々古代の刀工は、中国の刀剣を真似て造る職人でした。つまりギミックの製作者に過ぎませんでした。流派も無く、ただ仕事を受注するばかりでした。古事記や日本書紀を参照しても分かるように、中国や朝鮮の技術には追い付いていなかったのです。しかし平安時代に入ると、状況は一変しました。日本刀に反りと呼ばれる形象が加わり、独自の技術が発展し始めたのです。それを支えたのは、刀匠の技術、意匠でした。上手な刀匠、センスのある刀匠は流派を形成し、いわゆる五大流派が生まれました。流派の誕生後も全国で刀匠は育成され、その技術は磨かれました。江戸時代には藩ごとの特産品というイメージも付随して、刀剣造りは盛んになりました。名匠と呼ばれた刀匠は武士の細かなオーダーに対応すべく、自分で磨いた意匠と技術を余すことなく発揮したのです。刃文の受注も元々はクライアントの細かな注文がきっかけでした。以後は徐々に刀匠自身が熱を入れるようになり、優れた刀匠が刃文に拘ることが慣習化されたのです。刃文の模様は時代が下るにつれて多様化し、鮮やかな模様が刀身に刻まれるようになりました。

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